岡山医療センター 小児科 医長 古城 真秀子
くる病は体内でカルシウムやリンなどの電解質が不足することによって骨の石灰化が妨げられ、骨がもろくなる病気です。
骨がやわらかくなることで骨が正常に成長しなくなります。その結果O脚になったり、骨の痛みが生じたり、低身長になることが特徴です。
くる病は主に3つに分類されます
1)体内のビタミンDが不足している
2)ビタミンDがうまく機能しない
3)腎臓でリンの再吸収がうまくいかない

1)ではビタミンDの摂取が不足したり日光浴の時間が短いとビタミンDが不足します。ビタミンDを多く含む卵のアレルギーがあり制限が強いと不足しがちです。またビタミンDは日光に含まれる紫外線のエネルギーで活性型(うまく働く)ビタミンDに変換されます。
日焼けをおそれて日光に当たらないとくる病を発症することがあります。卵のアレルギーがあり制限中は代替え食品やサプリメントを利用しましょう。日光浴も必要です。
2)ビタミンDは腎臓でも活性化作業がおこなわれます。腎臓に取り込まれ(ビタミンD受容体)、酵素(1α水酸化酵素)の働きで‘活性化します。ビタミンD受容体や1α水酸化酵素の異常は生まれつきのもので遺伝子の異常が原因です。高用量のビタミンD製剤とカルシウム製剤の内服が必要になることがあります。
3)リンは骨の形成に欠かせないミネラルの一つです。リンが不足する原因には、①尿細管の異常により腎臓でリンが再吸収されない、②リンの摂取不足、③リンを調節するホルモン:線維芽細胞増殖因子23(FGF23)が生まれつき過剰に作用して腸での吸収や腎臓での再吸収が障害されて体内のリンが不足します。③に対してはFGF23の過剰な作用を抑制するための注射薬が選択できるようになりました。