第16回Sakuraの会

総括

  • 第16回Sakuraの会 in 春の岡山城”は、2025年3月28日(金)-29日(土)に岡山県岡山市の岡山城を会場として開催しました。

  • ライソゾーム病遺伝性血管浮腫などの希少難病の診断と治療、疾患啓発、そして、“誰もが生きやすい社会に~難病とともに~”をテーマとして開催し、難病支援・疾患啓発に興味をもっていただけるよう高校生ら協力し、希少難病の医療を通じて、社会に貢献することを目的としました。

  • 当日は、多くの方が参加され、2日間で、約500名の方々が参加されました。様々なワークショップや講演は大変好評で、また、作品展も熱心に観られ、最終日の審査結果発表および授与式では、会場が一体となりかなりの盛り上がりを見せました。

  • ワークショップ1では、難病・医療をテーマに、
    ・「学校生活を楽しむために」と題して、岡山医療センター小児科医長 古城真秀子先生、朝日塾中等教育学校 教諭 杉原大輔先生の司会進行、また、コメントゲストとして、難病と向き合い学校生活を送られている江田 夏帆様、岡山医療センター退院支援看護師 藤本真理子様、株式会社エール代表取締役、平田晶奈様、岡山医療センター附属看護学校教員 遠部泰子様を迎え、活発な議論が行われました。

  • ワークショップ2では、誰もが生きやすい社会に~難病とともに~をテーマに、
    ・「生きる希望をつなぐ~治療法の実現に向けて広がる支援と政府の動き~」と題して、日本ライソゾーム病患者家族会協議会 理事 秋山武之様より、ご自身の経験から貴重な講演をしていただきました。
    ・「病弱児だった自分が、経験を活かして病気を抱える子どもたちの学習・復学・自立を支援。子どもの空白(ポケット)を埋める」と題して、認定特定非営利活動法人ポケットサポート 代表 三好祐也様によるご自身の経験から貴重な講演をしていただき、会場からの活発な討論がされました。
    ・朝日塾中等教育学校の高校生によるワークショップでは、朝日塾中等教育学校 主幹教諭 杉原 大輔先生、朝日塾中等教育学校 高等部3年 本間光海様に司会進行をしていただき、積極的に高校生のみなさんに参加していただきました。高校生の視点から考える医療や社会に関する様々な問題点などを活発に議論していただきました。

  • ワークショップ3では、~サイエンスとアート~をテーマに、
    ・絵画療法や作業療法を通して参加者の皆さんと一緒に様々な作品を制作しました。
    ・表現アートセラピー さくらの絵を描こう(自由参加)では、NPO法人IPSO MOMO部門 金崎 裕美様、(アシスタント)ROSSATELLI SOFIA(ロッサテッリ ソフィア)様、BONANNO GIANLUCA(ボナンノ ジャンルカ)様の協力のもと、絵画療法として皆さんと一緒に桜の花びらを自由に散りばめた立体的な桜の絵を作成しました。みなさん自分の世界に浸り、集中して取り組んでおられ、ストレス緩和になった、と感想を述べられていました。
    ・キワニスドールの共同制作(自由参加)では、キワニスドールについての講演に加え、岡山キワニスクラブ、エル洋裁教室、岡山医療センター小児科 古城真秀子先生と一緒に洋服や帽子、靴を選び、お顔もかわいく描いてマイキワニスドールを制作しました。みなさん大事そうに抱っこして持ち帰られ、夜は一緒に寝ました、とうれしいご報告をいただきました。また、岡山キワニスクラブとキワニスドール作成している興陽高校の生徒さん4名よりSakuraの会へキワニスドール100体を贈呈をしていただきました。
    ・曼荼羅アートの共同制作(自由参加)では、地域密着型通所介護事業NPO法人ハッピークラブ所属 笠原美由紀様と一緒に曼荼羅アートの制作をしました。皆さん、小学校時代以来の分度器やコンパスを使って熱心に時間を忘れ夢中に作品を制作されていました。

  • 講演1では、「晴れの国おかやま」の新たな魅力をテーマに、
    ・一般社団法人歴史新大陸 代表 後藤勝徳様からは、「岡山城と後楽園だけではない岡山の新たな魅力~歴史エンタメのちから~」と題して、岡山の魅力や観光資源について講演をしていただきました。
    ・陶芸家 鈴木美基様からは、「伝統は革新~備前焼の魅力~」と題して、岡山の代表的な陶芸である備前焼の魅力についてご自身の作品を展示し講演をしていただきました。
    ・岡山大学の学生、サンセムサップ アンポン様からは、「タイ人留学生が見た田舎力あふれる岡山の魅力~求められるやさしい日本語~」と題して、今後、国際化に向けて、日本に必要なことについて講演をしていただきました。
    ・環太平洋大学特任准教授 元岡山県議会議員 山本満理子様からは、「女性や若者に選ばれる街・岡山の実現に向けて〜We PROの活動について」と題して、女性や若者の観点から新たな岡山の魅力につて講演をしていただきました。
    ・岡山医療センター 小児科古城真秀子先生からは、「コロナ禍に発見した岡山の魅力」と題して、今まで気が付かなかった魅力、コロナ禍で見つけた新たな岡山の魅力について講演をしていただきました。地域の活性化・地方創成が叫ばれる中、大変有意義な講演会になりました。

  • 講演2では、健康セミナーとして、
    ・岡山医療センター 小児科 古城真秀子先生からは、「低身長と成長障害、時々思春期の悩み」と題して、低身長と成長障害について講演をしていただきました。小さなお子さんを持たれている母親の方は、特に熱心に聞かれていました。
    ・名古屋セントラル病院 循環器内科 後藤裕美先生からは、「不整脈とは?」と題して、わかりやすい不整脈について講演をしていただきました。
    ・山口県立総合医療センター 小児科 長谷川真成先生からは、「こどもの食物アレルギーについて」と題して、アレルギーに関して大変興味深いお話をしていただきました。
    ・鹿児島大学大学院 心臓血管・高血圧内科学 樋口公嗣先生からは、「高血圧」と題して、多くの方々が患っている高血圧についてわかりやすく講演をしてただきました。
    ・名古屋セントラル病院 耳鼻咽喉科 山本浩志先生からは、「睡眠習慣を見直して健康寿命を延ばしましょう!」と題して、最近の話題の睡眠についてわかりやすい講演をしていただきました。

  • 講演3では、難病への理解と支援を深めるためにをテーマに、
    ・聖マリアンナ医科大学 臨床検査医学・遺伝解析学 教授 右田 王介からは、「あかちゃんの病気をどう発見するか?」と題して、特に、赤ちゃんを持たれている母親にとって日常に役立つ講演をしていただきました。
    ・岡山医療センター 小児科 古城真秀子先生からは、「ムコ多糖症ってどんな病気?~早期発見のためにできること~」と題して、希少難病であるムコ多糖症についてわかりやすい講演をしていただきました。
    ・朝日塾中等教育学校 高等部3年 本間 光海様、主幹教諭 杉原大輔先生からは、「主体的・対話的で深い学びで次代をよりよく生きる力を」と題して、学生や教育者の観点から難病について講演をしていただきました。
    ・名古屋セントラル病院 ライソゾーム病センター 坪井 一哉先生からは、「ファブリー病における“7つのポイント”」と題して、希少難病であるファブリー病についてわかりやすい講演をしていただきました。また、遺伝性血管性浮腫の診断の“7つのポイント”についても触れられ、分かりやすく話していただきました。

  • 医療相談の担当
    内科専門医     循環器内科専門医
    血液内科専門医   小児科専門医
    臨床遺伝医学専門医 耳鼻咽喉科専門医
    脳神経外科専門医  看護師

  • ライソゾーム病遺伝性血管性浮腫などの希少難病は、第一に病気を知ってもらい、そして、少しでも理解してもらうことが大切であると考えられます。今回の様々なワークショップや講演は大変好評で、また、作品展も熱心に観られ、多くの方に希少難病について興味を持っていただき、さらには、医療者とのつながりだけでなく、同じ病気で悩まれている患者さん同士も自主的に横のつながりを築き上げるなど大きな意味があったと感じています。今後も各種の疾患啓発の企画を通して、多くの方に希少難病について知ってもらう機会を設けていく予定です。

参加者人数

2日間で約500名の参加者が来城されました。最終日の講演会では、天守閣に入りきらない方も散見されましたが、最後には天守閣の外でも春の桜を見ながら、皆さんと大いに盛り上がりました。

公募課題

私のすきなこと”をテーマに公募しました。また、日常のふとしたことや楽しいことなど、自由なテーマでも受付け、58作品が応募され、第一会場に展示しました。

開催日

令和7年3月28日(金) 、3月29日(土)

開催場所

第一会場:岡山城 不明門
第二会場:岡山城 天守閣


受賞者

最優秀賞高取 宏樹 様  『撮影のあと』
優秀賞 :Ayaka 様  『私のすきな物』
優秀賞 :黒田 真希 様  『ちっぽけなフグ』
優秀賞 :梅本 智之 様  『絵本大好き』
優秀賞 :金 石林 様  『初めての登山』

 ※各受賞者全員に、賞状と記念品を贈呈しました。


主催

一般社団法人Sakura Network Japan


後援

厚生労働省、岡山県
岡山市、岡山県教育委員会
岡山県医師会、岡山県小児科医会
岡山県看護協会

協賛

サノフィ(株)、武田薬品工業(株)、住友ファーマ(株)、アミカス・セラピューティクス(株)(株)藤石材

協力

朝日塾中等教育学校、岡山医療センター、名古屋セントラル病院愛知太極拳の会、(株)エール、まちコイン(株)


文責) 令和 6年10月16日

一般社団法人Sakura Network Japan代表理事 坪井 一哉