“ポルフィリン症”って、どんな病気?

名古屋セントラル病院 ライソゾーム病センター センター長 坪井 一哉

概要

ポルフィリン症は、血液の赤い色素である「ヘム」を作る過程に関わる酵素が生まれつき不十分なために起こる、いくつかの病気の総称です。

何が起きるの?

ヘムを作る途中でできる「ポルフィリン体」という物質が、体内に過剰に溜まってしまいます。この溜まったポルフィリン体が、皮膚神経などの臓器に影響を与え、様々な症状を引き起こします。

主な病型と症状

皮膚ポルフィリン症:ポルフィリン体が日光に反応し、強い光線過敏(ひどい日焼けや水ぶくれ)や、皮膚が傷つきやすくなる(脆弱性)といった症状が主に出ます。

急性ポルフィリン症:腹痛や嘔吐などの消化器症状、手足の麻痺や脱力などの神経症状が急性発作として現れます。

原因

ヘム合成に関わる酵素の遺伝子異常が原因です。多くは遺伝しますが、晩発性皮膚ポルフィリン症のように、アルコールや肝炎などがきっかけで発症する場合もあります。

“ポルフィリン症”って、どんな病気?

治療と日常生活の注意点

ポルフィリン症は比較的まれな病気ですが、適切な対応で症状をコントロールできます。

治療

腹痛などの急性発作に対しては、ブドウ糖の点滴や特殊な薬(ヒトヘミン、新規治療薬ギボシランなど)を使って治療します。
皮膚症状に対しては、徹底的な遮光(日光を避けること)が最大の予防法です。

日常生活の注意

急性ポルフィリン症では、特定のお薬(睡眠薬や抗けいれん薬の一部など)やアルコール、ストレス、過度なダイエット(飢餓)などが発作の誘因になるため、これらを可能な限り避けることが重要です。他の病気で薬を処方される際は、必ず医師にポルフィリン症であることを伝える必要があります。

参考:難病センター https://www.nanbyou.or.jp/