名古屋セントラル病院 ライソゾーム病センター センター長 坪井 一哉
ムコ多糖症VI型は、体に必要な「N-アセチルガラクトサミン-4-スルファターゼ」という酵素が生まれつき欠けている、非常にまれな遺伝性の病気です。
この酵素がないために、デルマタン硫酸(DS)という物質が体内の細胞(ライソゾーム)に過剰にたまってしまいます。
これにより、骨や関節、心臓、目など、全身のさまざまな臓器に障害が出てきます。
成長障害による低身長、関節が硬くなる(拘縮)、心臓の弁の異常(弁膜症)、角膜の濁りなどが主な症状です。
この病気の特徴は、同じムコ多糖症の仲間であるI型などと異なり、知的な発達に障害を伴わないことです。

根本的な治療として、欠けている酵素を薬として体内に補う酵素補充療法や、造血細胞移植が行われています。
これらの治療によって病気の進行を遅らせ、症状を和らげることを目指します。
進行性の病気であり、成人期に向けて症状が重くなる傾向があります。そのため、治療と並行して、現れる症状(関節の痛み、呼吸の障害など)への対症療法も重要になります。
ムコ多糖症VI型は、日本での生存症例が10例以下とされているきわめてまれな難病です。
早期の診断と生涯にわたる専門的な治療・管理が必要とされます。
参考:難病センター https://www.nanbyou.or.jp/