岡山医療センター 小児科 医長 古城 真秀子

ムコ多糖は関節成分として有名なグルコサミノグリカン(GAG)の総称で、ライソゾーム酵素により分解され代謝されます。膝の痛みにGAGのサプリメントが効きます、の広告を見ることがよくありますね?加齢によりGAGが減少する膝の痛みにはサプリメントで補充することが可能ですが、酵素が先天的欠損しているムコ多糖症ではGAGは代謝されずに細胞内に異常に蓄積し、関節が固まって動かなくなる(関節拘縮)ほどの症状に進行してしまいます。ムコ多糖は関節以外にも、皮膚や骨、角膜、心臓の弁、気道の軟部組織、肝臓・脾臓、脳など体内の多くの組織に蓄積して症状を呈するようになります。
ムコ多糖を代謝する酵素は11種類あり、病型は7つに分類されています。
蓄積しているムコ多糖(GAG)は尿中に排泄されるため、ムコ多糖症が疑われる場合はまず尿検査を行います。尿中のGAGの以上排泄が確認されたら、どの酵素によるムコ多糖症なのか、酵素診断を行い確定診断されます。確定診断後重症度により治療方針が異なる場合もありますので、遺伝子検査を行うことが多いです。
ムコ多糖を代謝する11種類の酵素のうち、ムコ多糖症Ⅰ型、Ⅱ型、ⅣA型、Ⅵ型、Ⅶ型には酵素製剤が開発・発売されており、治療することができます。現在までに多くの治療効果が報告され、臓器障害の進行の抑制や予後の改善が認められてきました。しかし、症状が進行してから治療を開始する場合、効果が不十分であることも多く、早期発見・早期治療が重要です。症状が出る前に診断をすることが難しい疾患ですので新生児マススクリーニングの対象疾患に含めている自治体が増えてきています。