名古屋セントラル病院 ライソゾーム病センター センター長 坪井 一哉
血友病は、体内で「血を止める」ために必要な血液凝固因子というタンパク質が生まれつき少ない(欠乏している)ために、出血が止まりにくい病気です。
けがなどで出血すると、まず血小板が傷口を一時的にふさぎ、次に凝固因子がリレーのように働いて、血液をしっかり固める「フィブリン」という網を作ります。
血友病の患者さんは、この凝固因子リレーの重要なメンバーである第8因子(血友病A)か第9因子(血友病B)が足りません。
そのため、血の塊がうまく作れず、けがをすると出血が長引いたり、関節や筋肉などで内出血を起こしやすくなります。
性染色体の一種であるX染色体の遺伝子に変異があることが原因で起こる、遺伝性の病気です。多くの場合、男性に発症します。

不足している凝固因子を注射で補う(補充療法)ことが治療の基本です。
出血を未然に防ぐため、普段から定期的に注射を行う「定期補充療法」が一般的です。
血液中の凝固因子の働く能力(凝固因子活性)によって重症度が分かれており、重症の患者さんほど、頻繁に出血しやすいため、日頃からの注意深い管理が必要です。
早期に診断し、適切な治療と定期的な管理を継続することで、多くの場合、健康な人と変わらない日常生活を送ることが可能です。
参考:難病センター https://www.nanbyou.or.jp/