身長が気になる時は成長曲線を描いてみよう

岡山医療センター 小児科 医長 古城 真秀子

概要

身長が気になる時は成長曲線を描いてみよう

子供の体格は個性があり、身長・体重も発育も人それぞれです。ゆっくり伸びて思春期も遅く来る奥手の子、逆におませで早く伸びて思春期も早く来て、伸びも早く止まってしまう子。個性豊かな子どもの成長の中で、治療ができる低身長についてお話します。身長が気になる時には成長曲線を描いてみましょう。最近の小学校・中学校では学校での計測を成長曲線に記入して保護者に渡してくれることも多いでしょう。結果次第では低身長以外にも、伸びが悪化している成長障害、伸びが速すぎる思春期早発症の疑い、のため精密検査を受けてください、と保護者宛てのお手紙を渡されるはずです。このような場合は早めにかかりつけの小児科医に相談することが大切です。

診断

低身長の原因はさまざまですので、原因検察が重要です。身長に一番関係が深いと思われている成長ホルモンの分泌能を判定するには負荷試験(別名下垂体機能検査)という、かなり大変な検査を行わなければなりません。空腹時に15分~30分毎に5~6回の採血が必要で、2種類以上の負荷薬での判定をしなければならないため、2泊~4泊の検査入院を行っている病院が多いです。当院でも4泊5日の検査入院を基本としています。負荷試験を行う前に、成長ホルモン以外の低身長の原因が隠れていないか、スクリーニング検査を行います。

成長ホルモン以外の原因として
①他のホルモン、甲状腺ホルモンや性腺ホルモンなどの分泌低下
②染色体異常など先天性の疾患が原因の低身長、このグループにはターナー症候群やプラダー・ウィリー症候群、ヌーナン症候群などが含まれます。
③SGA性低身長症(子宮内発育不全の子どもはたいてい3歳までに身長は追いつきますが、3歳過ぎても低身長の程度が基準より強い場合)
④骨や軟骨の病気(軟骨無形成症・軟骨低形成症、くる病など)
⑤心臓・腎臓(特に慢性腎不全)・肝臓などの疾患
⑥食物アレルギーによる除去食の影響
(特に卵黄除去によるビタミンD欠乏性くる病)
⑦過剰運動、愛情遮断などの心理的スト
レスなど、があり鑑別が必要です。

治療

鑑別診断の疾患が否定され、成長ホルモン負荷試験を行い、基準よりも分泌が低下している場合は成長ホルモンの補充療法が始まります。自己注射薬ですので本人もしくはお父さん・お母さんに投与してもらわなければなりません。2022年までは1日1回、週に6-7日投与しなければならない製剤でしたが、2022年以降週1回のみ投与可能な製剤も発売されました。ただし週1回製剤は2024年現在成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された場合しか投与できません。